8月24日(日) NPO法人 地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク

第4回全国の集い in 鶴岡 名古屋プレ大会「東海地区の一歩先の地域共生モデル ~『ゆる~いつながり』の力を考える~」が、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院で開催され、猛暑の中、多くの方が現地に足を運ばれました。

東海エリアの“ちょっと先”のゆる~い地域づくりについて、5名の講師に登壇いただきました。

第一部 基調講演 矢田 俊量 住職 (桑名市 ⾛井⼭善⻄寺住職)

お寺を、故人を偲ぶ場所だけでなく、「いまを生きる人たちが心を寄せ合える場所」として本来の姿に戻したい──。

その中で、誰もが共感を通じて支え合える「りてらプロジェクト」、周産期グリーフケア「グリサポくわな」、多様な悩みに寄り添うコミュニティスペース「MONZEN」などの活動を通して、地域と医療・福祉をつなぐ「萃点」としての場を展開。全国のお寺の力を生かし、孤独を癒し、思いやりあふれる社会を目指すビジョンが語られました。

第二部 「ゆる~くつながり進んでいこう」

名古屋市港区社会福祉協議会 主任 太田真由美氏

社会福祉協議会は、令和6年度から5年間の地域福祉活動計画として「つながって・楽しく・学び合おう」を掲げ、グループ活動を開始しました。この活動から「誰でも楽しめる、ゆるいスポーツ」を考案する声が上がり、尾張旭市と連携。その取り組みの一つである「ごちゃまぜ運動会」について、お話しいただきました。

この運動会は、重症筋無力症と診断され、電動車いすで生活を送る作業療法士の押冨俊絵さんが、「運動会は見るだけでなく参加するもの」という思いから障がい者支援NPOを設立して開催したものです。ルールも内容も「ゆる~い」この運動会は大きな成功を収め、社会福祉協議会は、今後もさまざまな交流イベントを通じて、地域の誰もが違いを認め合い、支え合える「地域共生社会」の実現を目指して活動を続けていくことを発表しました

SUNシャインズ 佐藤美佐子氏

看護師、保健師、社会福祉士という3つの専門職がタッグを組んだコミュニティチーム「SUNシャインズ」。地域の皆さんがいつまでも元気に、そして安心して暮らせるよう、彼らが実践する「健康のおせっかい」を通じた地域づくりについてお話しいただきました。

また、SUNシャインズは、誰でも気軽に立ち寄れる交流カフェ「つながりカフェ」をはじめ、病気と向き合う子どもたちのためのガーゼ帽子の手作りボランティア、子どもたちの「折れない心」を育むいのちの授業など、多彩な取り組みを展開しています。こうした活動を通じて、困ったときの相談やちょっとした健康サポートをきっかけに地域のつながりを広げ、誰もが役割を持って元気に過ごせる居場所を提供しています。3人は「話す楽しみ」と「健康」を合言葉に、地域づくりに尽力しています。

当会世話人 久田邦博氏

当会世話人である久田氏が運営する「地球上で最もゆるゆるなオンラインサロン がんサポ喫茶止まり木」の活動報告についてお話しいただきました。

「止まり木」は、名古屋の喫茶店文化にある『必要な時に、必要な人が来る』という考えからヒントを得て、ピアサポート(同じ経験や困難を抱える仲間同士が体験を共有し支え合う活動)の場として、2020年4月24日にオープンしました。Zoomでの交流会やFacebookグループを通じて、誰もがいつでもどこからでも気軽に参加できる居場所として、がんサバイバーが安心して交流できるゆるやかな活動が運営されています。

パネルディスカッション

SUNシャインズ 左から佐藤美佐子氏、岡田正子氏、鈴木裕美氏

パネルディスカッションでは、LiveQを使って会場からの質問に登壇者の皆さんが熱意を込めて答えていました。

地域共生社会の実現を目指す様々な取り組みのご紹介があり、参加者の評判も良く、素敵な会になりました。今後、地域共生全国ネットワークと連携しながら、東海地方での地域共生社会実現に向け進んで行きたいと思います。